Amazonビデオや宅配DVDレンタルなどを利用して、ここ数年見逃していた映画を週数本ペースで観ているのだけれど、印象に残るのは案外少ないもの。
この作品は、悲しい現実が妙に生々しくて、もやもやとこころに残ります。どうにもならないものはどうにもならないし、しかたないし、とぽーんと放り出されたような、そんな後味とともに。
老いも、マイノリティとして生きるということも、容赦ないのが現実。つらくても、切なくても、なんとかやりすごしていくしかないわけで、いくらコミカルに描いても、塗れたタオルみたいな重みのある悲しさはどうにもぬぐえない。
好きな作品とはいえないのだけれど、嫌いでもない。ただただオダギリジョーのうつくしさが救い。
監督:犬童一心
脚本:渡辺あや
音楽:細野晴臣
キャスト:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊
製作:2006年 / 日本