キッチン・ストーリー

登場人物はおじさんばかり。長年マイペースでやってた、なにもかもが一筋縄にはいかない独身おじさんたちが主人公の物語。

舞台はノルウェーののどかな田舎町。“独身男性の台所での行動パターン調査” のためにスウェーデンからやってくるのもやっぱりおじさん。そもそも設定がおかしすぎるし!と思いきや、50年代に実際に行われた調査なのだそう。キッチンの隅に監視台が設置され、無言の調査員が終日座って調査対象者を見下ろしているなんてありえない!

そんなシチュエーションのもと、少しずつ、少しずつ、おじさんたちは親しくなっていきます。調査員と調査されるひとは会話してはいけないという取り決めも、国境も超えて、おじさんたちはコーヒーを傍らに会話を楽しみ、やがて酒盛りを始めてしまいます。

その様子がなんともかわいらしくて、ほんわかした気分になります。ラストがまた切なくて、きゅーんとしちゃった。登場人物はおじさんばかりだというのに!

冬の夜にまた観たいなと思う作品です。

キッチン・ストーリー」(原題:Salmer fra kjokkenet)

kitchenstories

監督:ベント・ハーメル
脚本:ベント・ハーメル、ヨルゲン・ベリマルク

キャスト:
ヨアキム・カルメイヤー・・・Isak Bjornsson
トーマス・ノールシュトローム・・・Folke Nilsson
ビョルン・フロベリー・・・Grant

製作:2002年 / ノルウェー・スウェーデン合作